• コラム

米品種識別DNA検査~検査時の注意点~

2023年6月26日

識別可能品種

Mérieux NutriSciences Japanでは、米品種識別DNA検査による識別可能品種に下記13品種を追加し、「うるち米228品種」「もち米34品種」「酒米14品種」の合計276品種が識別可能となりました(2023年6月)。

→ 識別可能品種一覧:識別可能品種 ~米~

種別種苗法登録年育成地
うるち米もち米
えみまる 2023北海道
きたふくもち 2016
きたゆきもち 2011
しろくまもち 2010
ときめきもち 2016東北
ちほみのり 2018
ゆみあずさ 2021
つきあかり 2020北陸
あきあかね 2022
和みリゾット 2016
あいちのかおりSBL 2003愛知
ミネアサヒSBL 2020
ミコトモチ 2010島根

BL、SBLとは

BLとは、いもち病抵抗性系統(Blast resistance Lines)であることを示す略称です。「コシヒカリ新潟BL」、「コシヒカリ富山BL」、「ササニシキBL」等の品種があります。
SBLとは、イネ縞葉枯病(rice Stripe virus)といもち病(Blast)の抵抗性を付与した系統(resistance Lines)であると表しています。上の表にある「あいちのかおりSBL」や「ミネアサヒSBL」等が開発されています。
農産物規格規程(平成13年2月28日農林水産省告示第244号)により新潟・富山県産「コシヒカリ」および「コシヒカリBL」や、静岡・愛知県産「あいちのかおり」および「あいちのかおりSBL」を同一産地品種銘柄として扱うこととすると定められているため、実際に販売されている米の表記は『コシヒカリ』や『あいちのかおり』で統一されています。愛知県産の「ミネアサヒ」および「ミネアサヒSBL」についても同様です。

検査時の注意

愛知県では2021年以降「ミネアサヒ」から「ミネアサヒSBL」に栽培品種の全面切り替えを行っているため、『ミネアサヒ』として流通している米は実際のところは「ミネアサヒSBL」であるというのが現状です。ですが、SBLと元々の品種は全く異なる系統であり*1、DNAレベルでも異なる場合が多いものです。実際に弊社で「ミネアサヒ」を対象とした従来の定性検査を実施すると「ミネアサヒSBL」は別品種と判定されてしまいます。
このように品種によっては検体の産地や産年の情報の確認が必須となる場合があり得ますので、検査のご依頼の際はご協力をお願いいたします。

*1 SBL品種等の系統樹は国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 次世代作物開発研究センターの運営するイネ品種・特性データベース検索システムで参照することができます。

米品種識別DNA検査の今後の開発

あらたに識別検査をご要望の品種をお持ちの方は、ぜひお知らせください。次の開発候補に加える所存です。

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